情報社会の負の側面

 

 

1.ワンクリック詐欺

 数年前にワンクリック詐欺というのが流行った。画面が突然切り替わり

 という表示が出るのである。

こうした場合の対処法は以下の通りである。

 

1.お金は絶対に送らないこと。「カモリスト」に載ってもっとひどい目にあう。

2.無視をすることが最善の方法である。メールを送るとこちらのメールアドレスが、相手方にばれてしまう。「取り消し」メールなど、絶対にこちらから連絡をとらないこと。相手にIPアドレスが知られても、それで、こちらが特定されることはあり得ない。

3.心配だったら、 画面をコピーして、近くの消費生活センターに相談に行く。 

4.家族には恥ずかしがらずにありのままをきちんと話しておく。

 

 画面には、多くの場合、ほとんど読めないような小さな文字で契約内容を掲載している。しかし、法律的には契約内容を確認する画面がない場合、1回クリックしただけでは「契約」は成立しない(消費者契約法)。「ご契約ありがとうございました」と画面に出ても、契約そのものが成立していないのである。

 そのことをきちんと理解していないと、「利用規約をきちんと読まないで契約してしまった私が悪いのだから」とか「家族に知られると恥ずかしいから」とか、「職場に乗り込んでこられたらどうしよう」などと、よけいな心配して払ってしまう人がいるのだ。

 ましてや、入金が遅れたら1日につき1000円の遅延料金が加算されますなどと書いてあると、もう、どうしていいかわからなくなってしまう人も少なくないはずだ。人間の弱みにつけ込んだ悪質なやり口である。

 

2.生徒からの相談

 あるとき、2人の生徒からワンクリック詐欺の「架空請求」の相談を受けた。一人は男子で、もう一人は女子であった。幸いにして、男子生徒は私の指示通り行動して事なきを得た。
 ところが、女子生徒のほうは、気が動転して、すぐに取り消しメールを送ってしまったらしい。そして、「18歳未満であることが確認できたらすぐに退会手続きをとるからパスポート又は学生証を写メールで送れ」という連絡が来たのだという。

 もう、怖くて怖くて涙が止まらないという訴えであった。この例などは、たぶん氷山の一角であろう。知り合いの教員の中には、3万円を払ってしまったと話してくれた人もいた。

 

 

3.新手の架空請求詐欺

 2011年7月、新手のワンクリック(ツークリック?)詐欺事件がまた横行し始めたという報道があった。今度の手口は、

  「スパイウェア」や 「不正ソフトのインストール」 による PC 内部への進入という方法である。これに引っかかると、ワンクリックウェアは10分おきに請求ダイアログを画面に表示させる。パソコンの電源を入れている限り、10分おきに例の「ご入会ありがとうございました」の画面がわいせつ画像とともに表示されるのである。たまったものではない。

 不正ソフトがインストールされているというメカニズムを知らなければ、今度こそ本当に、個人情報を知られてしまったのではないかと心配 したとしても無理はない。精神的苦痛と恐怖は計り知れないと想像される。先日、800万円をむしり取られたトラック運転手がいたという報道もあった。こうした不正ソフトをインストールしてしまった場合、次のように対処すれば解決する

 

システムの復元により、感染以前の状態に戻す」のだ。

(方法) コントロールパネル→回復→システムの復元

    


 これで一件落着である。
ワードやエクセル、パワーポイントを教えることも大切だが、インターネット社会のこうした負の部分と向き合うことを現代社会の授業でもきちんと教えておくこと が大切である。画面の向こうの人が善意の人とは限らない。危ないサイトには近づかないことである。おー、くわばらくわばら。

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